2017.12.25

True Puncture®(超音波ガイド下穿刺用ニードルガイド)の国内販売開始について

概要
弊社は、2015年に公益社団法人日本医師会(東京都文京区、会長:横倉 義武、以下日本医師会)と開始した医療機器開発・事業化支援事業を基に開発された第一号案件として、2017年10月に日本でTrue Puncture®(販売名:トゥルーパンクチャー、届出番号:13B2X10219000003)の販売を開始致しましたので、お知らせいたします。

True Puncture®について
True Puncture®の主な用途である中心静脈穿刺は、医療の基本手技であり、現代医療の様々な分野で利用されている一方で、穿刺時に動脈誤穿刺や気胸などの針やガイドワイヤーによる合併症が、問題となっていました。
これに対して、近年、公益財団法人日本医療機能評価機構からは、超音波を用いた穿刺(超音波ガイド下穿刺)が、標準方法として推奨されています。超音波ガイド下穿刺とは、車のナビゲーションシステムのように針先を確認するために超音波を用いて、血管の位置をリアルタイムで把握しながら穿刺をする方法で、血管と針先を同時に観察しながら穿刺ができるため、多くの医療機関で導入が進んでいます。昨今超音波ガイドを用いない盲目的穿刺で事故を起こした場合には、医療機関の過失責任が問われかねない時代となり、その手技の浸透は喫緊の課題となりつつありました。

そこで当社では、この度、傾いた体表の接地面でもあっても、検体に対してまっすぐに穿刺することをコンセプトとしたニードルガイドとして、True Puncture®を開発し、販売を開始致しました。True Puncture®には鏡面とスリットが設けてあり、術者の目視により穿刺針の刺入方向が適切であることを確認しながら穿刺針をすすめることができます。また、鏡面とスリットを目視で確認するという原理であるため、顔の位置に対していかなる方向(横方向への穿刺など)にでも対応することが可能です。True Puncture®は、院内で既に使用中の超音波プローブに取り付けて使用頂けるデザインとなっています。

・True Puncture®の使用方法①:https://youtu.be/SXTRh2Uk-Ls
・True Puncture®の使用方法②:https://youtu.be/h09sieY_fJE

日本医師会による「医師主導による医療機器の開発・事業化支援事業」との関連について
当社は日本医師会が実施している「医師主導による医療機器の開発・事業化支援事業」を受託しています(2015年6月10日プレスリリース参照)。当該事業は、医療機器が医療現場における医師のニーズ(臨床上の必要性)に基づくアイデアから生まれることが多いことを背景に、日本医師会としてそのきっかけとなる窓口を提供し、開発・事業化の支援を行うことで、新たな医療機器や技術の開発を促進し、国民により高い医療技術を提供していくことを目的として実施されています。本製品は、群馬大学 未来先端研究機構 ビッグデータ統合解析センター教授 浅尾 高行 医師により考案されました。そして、本製品は当該事業から創出され、商業化された第一号案件となります。

その他
本製品は、超音波ガイド下穿刺の精度を向上するツールとして、AMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)平成28年度「Medical Artsの創成に関する研究(外科、がん、看護、リハビリ等の新たな医療技術やソフトウェアの開発)」の採択課題「超音波ガイド下穿刺のチーム医療への展開とトレーニングプログラムの開発」の中でも利用されております。
参照URL:https://www.amed.go.jp/koubo/01/05/0105C_00142.html
尚、製造は日本国内で行い、まずは日本国内の大学、医療機関等への販売を2017年10月に開始致しております。

当社では、引き続き、アンメット・メディカル・ニーズに対する新しい治療の確立に注力すると共に、再生医療・ゲノム解析・Internet of things(IoT)・ロボット・人工知能等の発展により徐々に医療の垣根が取り払われつつある状況を適切に捉え、医療機器の事業化にて培ったノウハウをもとに、さまざまな医療イノベーションの事業化を手掛けていくことで、当社のビジョンである「日本発の医療イノベーションを世界に」の実現を目指すと共に、医療の質の向上・医療産業界の活性化への貢献を寄与してまいります。

【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社日本医療機器開発機構
TEL:03-6262-3322
FAX:03-6262-3022
MAIL:info@jomdd.com
担当:石倉